心理学と統計:統計を勉強するときの難しさ
心理学を学び始めるといくつかつまずきがあります。
一般的に新入生(学生)、心理学=フロイト的なところがあり、深層心理を勉強するのかなと大学に入学したりします。ところが、心理学を学び始めると錯視や、ネズミ、鳩の話が飛び出してくるので、いきなりつまずいたりします。
そしてもう一個つまずくのが、統計。
高校で心理学を学べるところもあるようですし、数学で統計を教えるようにもなってきたので、ハードルは低くなってきているのかもしれませんが、そうはいっても、文系に心理学科が多く、数学アレルギー(?)、統計嫌いになる人が多いように思います。
この統計、何でつまずくのかという話ですが
(1)用語がわかりにくい
(2)統計ソフトが使いにくい
(3)統計ソフトの結果の読み取りが難しい
という3点が大きいかなと思っています。
(1)用語がわかりにくい
平均とかはわかるし、中央値、最頻値なんかは、読んで字のごとくという感じだと思います。ところが、ここから用語が、標準偏差となると、少し困惑。次に、母標準偏差と言われると、困惑、標準誤差、サンプルサイズ、z値、t値、p値とかになるとだんだん、何が何やらに突入するようです。
さらに正規分布とt分布の関係とかに話が進むと、何が違っているのか、わからなくなっていくというのが学生の本心ではないでしょうか。
諸先生方がいろいろと教科書も工夫して書いてくださっているのですが、結局学生がわからない!となると、いい教科書でも頑張って読もう!とはなってはくれないわけです。
というわけで、そこまで陥る前に
おすすめなのが、
ステップアップ心理学シリーズ 心理学統計入門 わかって使える検定法 (KS専門書)
- 作者: 板口典弘,森数馬
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/05/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
この本は、色使いもよく読みやすいと思います。
し、自分が教えるときに説明している方法そのまんまという感じです。
すでに勉強された方には、物足りないかもしれませんね。
もう少し、ステップを踏んだものだと、
よくわかる心理統計 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)
- 作者: 山田剛史,村井潤一郎
- 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
- 発売日: 2004/09/01
- メディア: 単行本
- 購入: 12人 クリック: 108回
- この商品を含むブログ (30件) を見る
このあたりでしょうか。
さて問題はその後です。
(2)と(3)ですね。
これは、統計ソフトがいくつかあって、それぞれに言葉が異なったり、インターフェースが違ったり、そういった細かいことが重なって、使いにくい!となって、さらには読めない、わからないとなるのだと思います。
また、レポートにするときには、結果から、Excelでグラフを作らないといけなかったり(統計ソフトの結果をそのままレポートに使えない)ということで、さらにいやになる人も多いのかなと思います。
で、そこで、おすすめなのが、清水先生が作ったHADです。
HADで検索するとすぐに出てくる統計ソフトですが、Excelのマクロを駆使したもので、PCを持ってる学生なら、だいたいは使えるという、すごくいい感じのソフトです。
もちろん「R」という無料の統計ソフトもありますが、初めて使うにはハードルは高めかなと思います(Rコマンダーを使うという方法はありますが)。
そこで、おすすめの書籍は
Excelで今すぐはじめる心理統計 簡単ツールHADで基本を身につける (KS専門書)
- 作者: 小宮あすか,布井雅人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/01/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る
こちら、本当にわかりやすく書いてくれていると思います。
Excelなら学生さんなら触ったこともあると思うので、そこまでソフトを触るのがいや!とはならないかなと思います。
またHADは結果も工夫されているので、どこを読み取ればいいか、わかりやすいんですがこの本では丁寧にそのあたりも書いてくださっています。
卒論提出の時期にこの文章は少し遅めですが、来年度統計を使う方の参考になれば幸いです。