sukimapsy's blog

雑談,雑記ですが基本心理屋さんなので,心理学のことを書いていこうと思っています。基礎と応用の隙間を行き来する心理屋さんです。とある大学の非常勤講師です。で,臨床心理士でもあります。

うつ病は怠けなのかなぁ

学校に行きたくない,会社に行きたくないということは多くの人が経験していることだと思います。

でもなんとか登校したり出社しているわけですね。

それでも辛い時は,学校に行きたくないからと電話したり,有給休暇を使ったりしますよね(しない人もいますが)。

 

うつ病の人はどうなのか。

 

うつ病抑うつ)の人を身近に見たことがあるし,仕事柄お会いするので,その人達の話を総合すると,これは会社に行けないよねと,そう思います。

 

例えば

朝起きると,まだ出社の2時間も前とわかる。布団の中で,仕事がうまく出来るか不安になり,もう一度寝ようとするけど寝れない。

出社時間の30分前になっても体が動かない,起きようとしているのに,上半身が起きただけで立つことができない。

なぜか涙が止まらない。

出社できない,登校できない。

どうしたら良いかわからない。

 

いきなりこんな状態になっているわけではないのですが,日々,我慢したことで,頑張りすぎて一線を超えてしまった,そんな状態といえます。

 

じゃあ,こうなる前に,もっと前に,ストレス発散しておけよと思うかもしれません。

しかし,多くのうつになった人は,初期にストレスを感じ,そのストレスを自分で発散しようと考え実行していることが多いです。

 でも,うまくいかない。

 

それをも超える状況・事態がのしかかり,結局はぐしゃっとなってっしまう。

 

話を聞いていて,多く聞くなーと思うのは,

「最後は○○さんの一言だった」「○○さんがわかってくれていたんですけど……」という感じのことです。

 

この一言が出てくるのはカウンセリングの結構後のほうですが。

 

どうも他人のせいにするのが苦手な方が多いようで(自己責任と思いすぎ?),結構出てこないんですが,最後の引き金は同僚や,友人,上司,先生からの(本人からすれば信頼を失うような)一言だったりします。

 

それまで本人は,本人なりに仕事や学校の勉強,家庭内のストレスとかいろいろ対処しているのですが,それがわかってもらえなかった,頑張ったのに誰も見てくれていなかったということで,支えがスポンとなくなっちゃうように思います。

 

こういった人たちを見てきているので

うつ病は怠けているという意見には否定的です。

もちろんケースバイケースということもあるでしょうが。

 

多くの人が未だ,うつ病は怠けと言っているのは

自分が辛い時休んだ経験や,休もうとしたけど行けたという経験から推測してだと思います。

推測は正しいです。でもそれはうつが重くなる前までなのです。

 

最後の一線を超える前までは,うつは怠け,もっと頑張れという考えで頑張ってしまったケースも多いと思います。で超えて,頑張れなくなる。

 

僕が関わったうつの人たちは,そんなふうに見えました。

 

蛇足ですが

うつ病の人は治ろうとすることに貪欲な気がします。早く良くなりたい,そう思っているようです。

真面目すぎて,壊れていってしまったものがあるのかもしれません。